BABY BABY
「とにかく、一度中へ」
「………はい」
言われなくても入るつもりだった。
いったい中で何が…
…臭い。
何なんだこの臭い…
鼻を摘まんでしまった。
昨日と同じ部屋に通された。
「…凛のことですか」
「はい」
「ですから、学校に行かないのはいじめられてるから…」
「嘘だと、言っていました」
城島医師は、驚いたような顔をして急にしどろもどろになった。
「…どこまで聞きました?」
「え?」
「…いや、何でもないです」
どこまで?とは?
何の話だ。
「とにかく凛さんに会わせて下さい」
「い、今は…まだ寝てて」
「ついさっき、僕と電話をしたんです。寝てるはずないでしょう」
「さっき、また寝たんです」
「嘘です。そんなはずない」
怪しい。
この男は何か知っている。