BABY BABY


城島さん…か。
入学式で、一回見たけど

かわいかった、かも。

やだなぁ…もう、全部不安になっちゃう。でも、なるよ。
あたしがこんなに思ってるってこと、先生は絶対知らないし。

なんていうのかな、知られたくないけど知ってほしいっていうか…あーもう、わかんない。

「結芽、やっぱ恋してる」
「え!?な、なに言って…」
「だって、さっきから溜め息ばっかりついちゃってさ。おかしいもん」

そ、そうだったっけ。
ほらもう、先生のせいだ…



―――――病室


「…パパ、捕まったかな」

物騒なことを呟くもんだ。
まあ、気になるんだろう。

「あ…ああ。多分」
「私…物心ついたときからパパと二人で暮らしてたんです。ママの顔、見たことなくって…」
「…そうだったのか」
「…だから、ファザコンっていうのかな、パパ大好きで。いつもパパと二人でいました」

凛は懐かしそうに話した。

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