BABY BABY
「…わからないです、ごめんなさい」
「そうか、ごめんな」
凛は再び食事に箸を伸ばす。
「…私、先生に嘘をつきましたよね。いじめられてるって」
「ああ…」
「あれ、パパにそう言えって…毎年担任の先生が家にくるたびに言ってきた話なんです」
パパが、か。後から考えてみると、いろいろ怪しかったもんな。
「学校なんて行かなくていい、凛はパパの側にいればいい…そう言ってくれました」
凛は小さく微笑んだ。
「言ってくれた」だって?
自分をあんな目に遭わせた父親に、まだそんなことを言えるなんて…