BABY BABY


「あら、あなたは…」

昨日の、食事を運んできてくれた看護婦だ。こんなところに寝ている僕を見て驚いている。

「あ…おはようございます」
「おはようございます。ここで寝られたんですか?部屋を用意しておけばよかったですね…すみません」

ぺこりと深くお辞儀をする。

「いえ、そんな…僕は健康体ですし」

自分で言ってから、本当にそうだろうかと思った。肩がずっしりと重く、酷く疲れている。

「城島さんのお世話に来たんです。昨晩は暑かったから、汗をかいてると思うので」

少し部屋には入らないで下さいね、と看護婦は病室に入っていった。

タンクトップは汗でぐっしょりだった。どこかで顔を洗おうと思い、ソファーから立ったとき、

病室から悲鳴が聞こえた。

< 50 / 66 >

この作品をシェア

pagetop