BABY BABY

結芽の恋



―――――森里家


「熱…下がらないわねぇ」

母が体温計を見ながら溜め息をついた。仕事を中断し、学校まで迎えに来てくれた。

「ほっとけば良くなるよ…大丈夫。仕事、戻っていいよ」
「だめよ、こんなに熱があるのに!病院に行きましょう」

大丈夫なのに…

結芽は森里家の一人娘で、父も母もとても過保護だ。
特に父は、結芽が恋人を連れてきたときは拗ねて部屋にこもって三時間は出てこなかった。

再び車に乗り、近くの病院へと向かう。
まあ、風邪か何かだろうし。病院で薬を貰えばすぐ治るはずだ。


…そういえば、先生も体調悪いってお休みしてたっけ。
もしかしてあたしのがうつったのかなぁ、それとも先生のがあたしにうつったのかなぁ。
…なんとなく、繋がってるみたいで嬉しいな。

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