BABY BABY
「県警の、橋田といいます。突然すいません」
「え…いえ」
凛がもの凄い剣幕な表情になる。
「…何の用でしょうか。先生は何の関係もありません。昨日話したはずです」
橋田を睨みつけ、僕の服の袖をぎゅっと握りしめる。
「いや、その事ではない。彼と話がしたいという人がいてね」
「僕と…?」
「はい。悪いんですが、署までお願いします」
「…先生」
凛が瞳をうるませて僕を見上げる。
「大丈夫だよ、すぐ戻る」
「…わかりました」
橋田をもう一度きっと睨みつけると、手を離してくれた。