BABY BABY


「どうしよ…待合室どこだっけ?わかんなくなっちゃった…」

急に頭がくらくらしてきた。やっぱりまだ熱っぽいようだ。

あてもなく院内をうろついていると、1人の少女が立っているのが見えた。患者だろうか。
よし、ちょっと恥ずかしいけど待合室まで案内してもらおう。

「あの…すみません」

振り向いた少女は、どこか見覚えのあるような無いような…とても綺麗だった。

「…はい」
「いきなりごめんなさい。ちょっと迷っちゃって…待合室ってどこだかわかります?」

誰だっけ…
絶対どこかで見たことある。
気のせい、かな?

「あ、あの…ごめんなさい。私、最近入院したばかりであまり詳しくないんです…」

少女はおどおどして答えた。
悪いことをした…

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