BABY BABY
城島医師の目の前の椅子に座る。こちらを見て、少し笑っているようだ。薄気味悪い。
「やあ、先生。やっぱり来てくださった。凛は元気ですか」
…この男は自分が捕まっていることをわかっているのか?殴りたくなる。
「…凛さんは入院してます」
「そう…ですか。やはり少しやり過ぎましたね。生きてたことに驚くぐらいですよ」
!!
…やっぱりこの男が!!
「なんで!!どうしてそんなことが…実の娘を殺そうとするなんて!!」
思わず叫んでしまった。
やり過ぎた?生きてたことに驚く?ふざけるな。
城島医師は小馬鹿にするような目で僕を見る。少し俯き、やがて顔を上げたとき、その目は笑っていた。
「どうやら先生は、凛から何も聞いてないようですね…聞かせる必要も無いのでしょうが…」
「…どういう意味だ」
「殺す…?凛を?何を言ってるんです?殺そうとなんて一度も思ったことはありません。私はただ…
凛を喜ばせたかった…凛の笑顔を見たかっただけですよ」