BABY BABY
家庭訪問
「こんばんは、突然失礼します。城島さんの高校の担任です」
『…』
無言、だ。
「すみませんが、少し城島さんとお父様と、お話がしたいのですが…」
『今、行きます』
プツンと切る音がした。
意外とすんなり承諾したもんだ。
すると、ドアから男が白髪混じりの短髪を掻きながら出てきた。
「いや、どうも」
「こんばんは」
「わざわざすみません。さあ、中へどうぞ。娘を呼びます」
思ったよりも気さくだった。
少し汚れた白衣を身にまとっているその男は、城島の父親だった。
「お邪魔します」
家の中は、薄暗くてほとんど何も見えなかったが、とにかく男の後についていった。