ライトグリーン・スカイ
恐る恐る凛ちゃんの方を見る。

青ざめているけど、栄兄ちゃんとは違う怒りを見せている。

「信じられないっ!!」

他のお客さんにも届くような大きな声で叫び、その場からいなくなった。

何があったんだと言わんばかりの視線が痛い。とりあえず後を追わないと。

「後から返すから、お金払っておいて!」

凛ちゃんの大声に驚いていた栄兄ちゃんに、それだけを言う。

そして返事を待たずに私も喫茶店から飛び出した。

彼女の小さな後ろ姿を確認し、真っ先に走る。殆ど無我夢中で。

気付いた時には湖のある公園。木洩れ日の道は気持ち良く、

吹く風が一緒になっているからか、走り疲れた身体に余計に心地よく感じる。

少し歩くと、ポツンとある大きな木の下でしゃがんでいる人影。

……凛ちゃんだ。
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