ライトグリーン・スカイ
栄兄ちゃんに居場所を伝えるメールを送り、側へと駆寄る。

「ごめん、ね…」

そう言葉をかけても黙ったまま俯いている。

これ以外にあまり良い言葉が思い浮かばない。何てかけてあげるべきか。

「聞いて良い?」

「うん?」

凛ちゃんが小さな声で聞いてくる。さっきまでの元気は何処へ行ってしまったかと思う程。

相当なショックだった事が伺える。

「栄さんはゲイなの?バイなの?」

私は答える。

「どっちでもないよ」

付け加えて“恋愛対象は女の人だけ。あくまでその人は初恋で、忘れられない人だ”と。

「嘘だよ…栄さんそんな人だなんて思わなかった」

信じたくないからなのか、少し震えた声。

それから凛ちゃんは沢山の怒りや悲しみを、私にぶつけるだけぶつけて来た。
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