ライトグリーン・スカイ
すると微かな笑い声が聞こえて、凛ちゃんは漸く顔を上げた。

目の回りは濡れていて瞳は赤い。

泣いていると感じさせる声色ではなかったから、泣いているとは思わなかった。

「ありがと。でもやっぱりあたしは…」

思わず膝をつき、軽く凛ちゃんを横から抱き締めていた。

「ちゃんと説明した方が良かったね…ごめんね」

そう一言呟き、2度目の謝罪。すると聞き慣れた声が響いて来た。

「友情って本当に良いねー…とでも言えば良いのか?」

振り向けば栄兄ちゃん。息が少しだけ荒い。

そういえば公園にいる事は言ったけど、場所までは言わなかったっけ?

そのまま近寄って来て、凛ちゃんから私を引き剥がして更に一言。

「お前は色々と…」

ほんの少しの間が、私には何故か恐ろしいものに感じる。
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