ライトグリーン・スカイ
「ねえ」

真剣な表情で、凛ちゃんは聞く。“その人は誰なの?”と。

…どう言う事なの?何故それを聞くのだろう?

「おいおい、俺を軽蔑したんじゃなかったのか?」

苦笑交じりで質問には答えず、質問で返す栄兄ちゃん。

受け入れられないって言っていたから、私もてっきりそうなのかと…

その時着信音が鳴り響いた。G戦場のアリアのオルゴール。

私でもなく、勿論静かな所でじっとするのが苦手な栄兄ちゃんでもなく。

凛ちゃんの携帯から流れていた。暫しの間、彼女の視線がディスプレイに移る。

その表情は次第につまらなさそうな顔へと変わっていくのが、よく分かる。

「変な悪戯メールだった。邪魔しないで欲しいよね…さ、早く答えて?」

凛ちゃんもまた、栄兄ちゃんの質問には答えずに自分の質問を優先した。
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