ライトグリーン・スカイ
「その表情は“どうして分かったか?”だよね?簡単な事。
あたしが知っていて、尚且つ栄さんも知っている人は今の時点で3人。
木葉、想太さん、さく…じゃなくて尋君。まず女の子である木葉は除外。
そして尋君は実の弟。実の弟に恋をするのは、あまり想像したくない。
そうして残ったのは想太さん。どう?」

何も言い返せない。私も栄兄ちゃんも。続けて凛ちゃんはこう言う。

「水族館に行った日、頑なに隣の席を譲らなかったのもその所為?」

ふふっと何時もの調子に戻ったかのように笑う。それが少し怖い。

私の傍から離れ、立ち上がると更に独り言のような話は続く。

「やっぱり栄さんのその部分を受け入れる事は難しい。
でも木葉の言った事は多分間違っていないけれど、
好きって感情がある事には変わりないんだよなあ」

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