ライトグリーン・スカイ
「木葉、雨が降って欲しいって思っても無駄だからね?」

そう言って2本の折畳み傘を見せる凛ちゃん。何時心を読んだの?

「本当、良い天気になって良かったよね」

私達の方を振り向いて、尋が私の気持ちとは正反対の眩しい声で言う。

凛ちゃんは笑顔で答えるけれど、私にはそんな芸当は出来ない。

不機嫌な私を見て心配したのか尋は私を気遣う。その彼の隣では、

「そんなに怒ってると、ブサイクが余計ブサイクになるぞ」

栄兄ちゃん。そう言うのを余計な御世話って言うんだよ?

「ほら、兄さんもそんな事言わないで。気にしないで良いよ」

言われなくても、と言いたい所だけどムキになってしまいそう。

栄兄ちゃんに怒りをぶつけようとしようとした時、突然凛ちゃんが

「わー綺麗!」

と感動の声を上げていた。彼女の視線の先にはキラキラと宝石のように光る湖面。
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