ライトグリーン・スカイ
「ただこうして歩いているだけか?」

「散歩もまた良いデート。文句はなし」

思っていた事を、ほぼそのままに会話をしてくれた栄兄ちゃんと凛ちゃん。

私だけが思っていた訳じゃなかったんだ……

「退屈だな、本当」

「そう?僕は好きだよ。こういうの」

つまらなそうな栄兄ちゃんとは正反対に、子供のようにはしゃいでいるように見える尋。

確かに尋はこう言う散歩とか好きだよなあ…なんて暢気に思っていた。

湖の真ん中辺りまで歩き終え、しばしの休憩を取ることに。

近くの自販機でジュースを買い、日陰に入ってざわつく心地良い風に当たりながら。

栄兄ちゃんと凛ちゃんはずっと楽しそうに会話をしっぱなし。

一体何処に会話のネタがあると言うのだろう?ちょっと謎だ。

取り残された私と尋。彼とはあまり話す気がない。だからお互い無言のまま。
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