ライトグリーン・スカイ
何時までもこんな空気じゃ気まずいと思い、何処かへ逃げようとした時だった。

「木葉。あれに乗ろうか?」

突然話し掛けて来たかと思えば、ある物を指差して尋ねてくる。

差した指の方向にある物は……木馬?

名前は分からないけれど下がバネになっていて、乗ってから前後に揺らす子供の遊具。

「ば、バカにしてる!?一体今幾つだと思ってるの?」

きょとんとした表情で尋は私を見る。少し辺りを見渡したと思えば、笑い出した。

「何がおかしいの!?」

「違うよ。あれじゃなくて、ほら。もう少し遠くを見て」

そう促されて少し遠くを見れば、そこにあったのは湖に浮かぶボート数舟。

ああ、あれだったのか。“あの木馬だよ”って言われたらどうしようかと…

良かった、良かった…って違う!
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