ライトグリーン・スカイ
何で尋とボートに乗らないと行けないの?何この最悪な展開。

「ボートだとしても、冗談じゃないよ!」

「そう?木葉退屈そうに見えたからどうかな?って思ったんだけどな」

私を思っての事だったの?更に性質(たち)が悪い。

“あの事”があるからだとしても、私はこの先ずっとこのままだろう。

聞いた時は信じられなかった。彼が少しだけ愛おしくさえ見えた。

でも時間が経てばそんな感情だって薄らいでいっている。

心の何処かで変に引っ掛かる部分もあるけれど、それは気のせいだろうし。

突然何かに右腕を掴まれ、引っ張られている感覚が走った。

掴まれている方向見てみると、何時の間にか立ち上がっていた尋の姿。

その表情は初めて見るような不機嫌そうなもの。

気を抜いていた所為か私はそれにつられて思わず立ち上がった。
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