ライトグリーン・スカイ
お客さんである私達が来たと言うのに、あまり乗る事を勧めないような口調。

どう言う事なのだろう?私はそれはそれで嬉しいけれど、尋が黙ってはいないだろう。

「あの、さっきも言いましたが乗りたいから来たのです。お願いします」

おじさんは“どうなっても知らないよ”と、また勧めないような口調で言う。

そんなこんなで、お金を払い漸くボートに乗れた。2人乗りの丈夫そうなボート。

ボートが古いから沈むかもしれない、とかそう言う訳ではなさそう。

ではあのおじさんは一体何の事を言っていたのだろう?

「気にしないで。多分脅しか何かだよ」

尋はそう一言漕ぎながらに言う。不服だけど“そうだよね”、と私も思う事にした。

湖の真ん中辺りまでやって来た所で、1度ボートを漕ぐ手を緩めた尋。
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