ライトグリーン・スカイ
それまでの間会話は一言もなされていない。何時もの事だ。

「こうして2人ってのも水族館ぶりだね」

また同じように尋から話を持ち出してくる。“そうだね”と適当に相槌を打つ。

会話は上手くは続かないからこれでお終い。これも少しだけお決まりになってきたようだ。

「木葉は何も聞かないの?」

“そうだね”に対する話題でもなく、新たな話題。

しかも何を言っているのかよく分からない。否、分かっていたかもしれない。

私が尋の“あの事”を聞いて来ない事だと言う可能性もない訳ではない。

「あんたに何を聞けば良いの?」

「僕の事」

心臓が跳ねる。私の思っていた事そのままだったから。

余計に返事に困ってしまう。だけどその心配も次の尋の言葉で過ぎ去った。
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