ライトグリーン・スカイ
そうか。そうなんだよな……

こんな風に言い合う事も難しくなるんだっけ。それはそれで清々する。

でもポッカリと心に穴を空けられてしまう寂しさもある。

「木葉、あのね…」

嬉しい事?悲しい事?それともまた別の何か?

こんな感情は薄れていった筈なのに、モヤモヤするのはどうして?

「木葉!」

色々と頭の中で考えていたから、尋がさっきから言葉をかけている事に気付かなかった。

やはり珍しく声を荒げる尋は、とても新鮮があるように見える。

何事かと聞けば、“もうすぐ時間だよ”と。今が何時なのかも私には分からない。

ただ分かったのは貸し出し時間のリミットが迫っていると言う事。

尋が勢い良くオールを漕ぎ出す。揺られながら湖面を見る。
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