ライトグリーン・スカイ
もしかしてあのおじさんは、私と尋をカップルと…!?冗談じゃない。

「って、そんな事よりも…あーあ、折角のチャンス台無しじゃない」

そんなに残念がらなくても良いのに残念がる凛ちゃん。

明るい鳥の囀(さえず)りが何処からか聞こえる。

凛ちゃんは他にも言っていた気がしたけれど、私はただそれだけを聞いていた。

「ちょっと聞いてるの!?」

「うん、聞いているよ。それでね、凛ちゃん…」

「何?」

「2人を忘れていない?」

やっぱり怒り口調の凛ちゃんに、少し申し訳なさそうに私は気付いた事を言う。

凛ちゃんは案の定2人の存在を忘れていたらしく、振り向いて“ごめんね”と謝った。

「別に。何時もの事だろ」

「うん、気にしないで良いよ」

そうは言っていたものの、心の何処かでは2人ともきっと怒っているんだろうな…
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