ライトグリーン・スカイ
「実際言われたらもっと違うと思うけど、傍にいたいかな」

私にとっては意外な答え。凛ちゃんなら遠ざかるんじゃないかって思った。

と言うか、今の私が正にそうなのかもしれない。

「あたし、6時くらいには会場にいると思う。会えたら会おうね」

「うん。ありがと」

会場に行くと言っていた凛ちゃん。じゃあ会わないんだろうな。

毎年この時期の花火はほぼ決まって私の家で見るから。

そしたら栄兄ちゃんは今日は来ないのかな。凛ちゃんに引き回されてしまいそう。

電話の切れる音を聞き、携帯を畳む。

元気付けられたような感じもし、逆に一緒じゃない事に寂しさも感じた。

今の私に出来る事。夜に備えて体を休める事、そして覚悟を決める事。

太陽が徐々に沈んでいくのを見ながら、覚悟が決まるまで時間が止まって欲しいとさえ願う。

そう願っても時間は止まらず流れたまま。

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