ライトグリーン・スカイ
「わあ、似合う似合う」

そんなお母さんの楽しそうな声が部屋中に響き渡る。

外は日が沈み、その名残なのか空だけがまだ橙色を帯びている。

流石にこの時間にもなると溶けるような暑さは逃げていく。

髪を束ねて1つに結って、紫色の浴衣を着て。気分はすっかり花火大会気分。

インターホンのベルが鳴り響けば伯父さん一家がやって来た。

と言っても、栄兄ちゃんはいなかった。凛ちゃんと一緒なのだろうけど、

私は彼がいない事で寂しさと心細さと、不安でいっぱいになった。

「また可愛くなったなあ」

「そんな事ないよ?」

「ううん、大人になったわ」

伯父さんと伯母さんとの再会はとても嬉しくて、でも褒められると照れ臭い。

栄兄ちゃんがいたらきっと“木葉は絶対変わってない”なんて言いそうだ。
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