ライトグリーン・スカイ
「お、俺も行く!1人にしないでくれ!」

「すぐに帰るから」

「苦しくなった時の話し相手がいないってのは、嫌なんだよ」

すぐに帰ると言っても、お兄ちゃんは一緒に行くと言って聞かない。

苦しくなった時って一体どんな時なんだろう?私には分からない。

「僕達に迷惑かけなければ…」

救いの手を差し伸べるかのように、尋は優しくお兄ちゃんに言う。

目を輝かせて感謝するお兄ちゃん。今はきっと尋が神様仏様に見えているに違いない。

こっそりとその場を抜け出して、私達3人は外へと飛び出す。

とは言え。浴衣姿の私にとってこの履き慣れていない下駄は、歩き難い。

辿り着いた先は公園。私が尋達と再会し、栄兄ちゃんから“あの事”を知らされた場所。

殆どの人が会場に行ってしまっているからか、

此処からも花火は見える筈なのに、公園は不気味なくらいに静かだった。
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