ライトグリーン・スカイ
「あのね、何て言うかその……」

言い難い。こう言う時どうやって切り出せば良いのか。

さっきは後回しに出来るとラッキーだと思っていたのに、今ではアンラッキー。

とりあえず、先に渡すものを渡そう。

持って来た巾着袋からキーホルダーを取り出した。

お兄ちゃんがくれた大仏様。

厄除け効果があったかは分からないし、お兄ちゃんにも悪いかもしれない。でも。

今は私より尋に持っていて欲しい。すっ、と何も言わずに無言で差し出した。

尋の顔なんて見ていないから、今どんな表情をしているのかなんて分からない。

「……くれるの?」

頷けば笑い声が聞こえてきて。やっぱりおかしいよな、と思う反面でムキになる私がいた。

「何がおかしいの!?」

「ああ、ごめん。木葉にしては渋い趣味だな…って」
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