ライトグリーン・スカイ
私の趣味じゃない。お兄ちゃんの趣味だ。

つっこみたいのにつっこめないのがもどかしい。

「厄除けのお守り。尋って災難に巻き込まれそうな感じだから。私は気にしないで」

漸く顔を見て言葉を発する。尋はやっぱり笑っていた。だけどそれは苦笑い。

嬉しくなかったのかな?と思いながらも、今度は尋にパスをした。

本当はまだ私が話したい事はある。でも今はこれで充分にやりきった気分だから。

「もうすぐ花火の時間だから、特等席に行こうか?」

携帯のディスプレイを見てそう一言。特等席って一体何処なの?

「あ、でも大丈夫かな…?木葉浴衣姿だし……」

まるで独り言のように呟く尋。浴衣じゃ行けない所なの?

だったら尚更。私が浴衣で特等席に座る第1号になろうじゃないの。
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