ライトグリーン・スカイ
変な所で負けず嫌いは出るとは。私は無理にでもそこに行きたいと懇願する。

困惑顔の尋だったけど、私が強く言ったからか“ま、いっか”と折れた。

「それで、その場所は何処なの?」

お兄ちゃんを置き去りにしてしまうような場所じゃないよね?

尋は私の手を取った。恥ずかしい。振り解こうとしたのに、振り解けない。

数メートル歩いただけでそこに辿り着く。そこはジャングルジム。

まさか特等席って。

「気をつけて昇ってね。ゆっくりで良いから」

やっぱり。ジャングルジムの頂上だったんだ…

確かに高い位置に座る事になるから、見晴らしは良いと思う。

浴衣が着崩れる事を覚悟してゆっくりと1段1段を踏みしめた。

頂上に着き、またしても尋の隣に腰掛ける。
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