ライトグリーン・スカイ
「おにいちゃん、どうしたのー?」

その中の1人が尋に質問をした。

「お花見、かな?」

「これ、おはなじゃくてはっぱだよー?」

「おにいちゃん、へんなひとー」

尋が答えれば次々と言葉を口にする小さな子達。ある意味正解かも…。

「あはは」

少し苦笑する尋。その傍で栄兄ちゃんは“変な人”発言に納得している様子。

「ほら、蝉が逃げちゃうよ?」

その言葉を聞いた彼らは、すぐにいなくなった。“またねー”と手を振りながら。

「さ、ガキもいなくなったし。行くぞ」

待たされた感いっぱいな様子で、栄兄ちゃんは先へと走り出した。

暑いのによく走れるなーと思いながらも、その後ろ姿を私と尋は必死になって追って行く。
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