ライトグリーン・スカイ
公園の街灯が白く光る。

その光が届くか届かないかの位置にお兄ちゃんの姿。まだベンチに座っていた。

携帯をいじっているようで、私達の現在位置には気付いていない様子。

「座るの辛くなったら言ってね?すぐに降りるから」

尋が心配そうにそう言う。私はやっぱり無言で頷いた。そこから尋の話が始まり出す。

「想ちゃんもいるけど、こうして抜け出すのって初めてだね」

私は決して言葉は出さない。まだ話は続くからと言うのもあるけれど、

話している尋の声と私の声が被るのが何より失礼だと思ったから。

尋が私に何かを聞いて来ない限り、私は相槌だけでただ黙ったままでいようと思った。

「この花火も今年で見納めか……」

まだ花火の上がらない空を見上げて、尋は寂しそうにそう言う。

つられて空を見上げれば、花火に負けないくらいに星がキラキラと輝いていた。
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