ライトグリーン・スカイ
何度も何度も思い知らされる。やっぱり“あれ”が事実なのだと。

居なくなってしまっても良い。そう思っていたのに。

いざそうなると心細くなる。まるでフィクションの世界だ。

流れ星が流れるなんて事は滅多にない。流れても3回も願いなんて言ってられない。

そういえばもう1つ渡したいものがあったのに、忘れて来てしまった。最悪。

「花火、もうすぐかな?」

ぽつりとたった一言それだけを言う。出来るならば、今は明るい話題が良い。

尋は優しく微笑んだ。街灯の所為かもしれないけれど、それは眩しいくらいに。

「もうすぐじゃない?」

その言葉とほぼ同時に1発目の花火が上がる。いきなり黄色い満開の花。

それはすぐに消える。残ったのは空に映る散った後と、大砲のような大きな音。
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