ライトグリーン・スカイ
尋は大丈夫なんだ。私はちょっと大丈夫じゃないけどな。

栄兄ちゃんの心配をするなんてちょっと余裕もあるみたい?

「栄なら着替えを持って…」

こんな遅い時間だと言うのにインターホンのベルが鳴り、お母さんが出た。

やって来たのは荷物を持った栄兄ちゃんの姿。

「ったく、何酔いつぶれてんだっての」

荷物を降ろし、寝転がっている伯父さんにそう一言。

しかし伯父さんの耳には勿論届いていない。

お母さん達はお父さんたちに毛布を掛ける。私達の方に向きを変えると、

「とりあえず部屋の事なんだけど…」

と話を切り出す。お母さんと伯母さんはお父さん達の部屋。

お父さん達は動かすにも動かせないから、そのままこの場所。

栄兄ちゃんはお兄ちゃんの部屋。あれ?この流れで行ったら私の部屋に尋?

嫌だよそんなの。だけどそれも杞憂に終わる。
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