ライトグリーン・スカイ
「大丈、夫?」

「ったく情けねーな」

「兄さん。木葉は、女の子、だから、一緒に、しない」

私を心配する尋も、私同様に息を切らしている。

自分の心配をすれば良いのに、どうして真っ先に私なんか。

あれからどれくらいの距離を走ったかは分からない。

分かるのは栄兄ちゃんが余裕そうな表情をしていると言う事。

体力にはかなりの自信があるようだ。

「此処までで大丈夫。木葉、ありがとね。ちゃんと帰れる?」

「当たり前でしょ!?」

漸く呼吸が整った所で、彼らと別れる時間が訪れた。

「あの野郎によろしくな。またすぐにでも」

ちょっとだけ迷惑そうなお兄ちゃんの表情が目に浮かぶ。

生返事を返すと今度は尋が、

「兄さんじゃないけど、またすぐにでも。ね?」
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