ライトグリーン・スカイ
その尋の“有難う”と言う言葉がまた心に沁(し)みて来て、

再び涙が溢れそうになってくる。今度は泣くもんかと、また耐える。

「木葉は本当に良い子だね。僕なんかよりも」

頭を撫でられる。こんな事は初めてな気がする。

「あー、お兄ちゃんがお姉ちゃん泣かせてるー」

「いけないんだー」

突然聞こえたのは子供の声。目からハンカチを外せば、そこには2、3人の小学生の姿。

もしかして今までの事を見ていたの?そうだとしたら……かなり恥ずかしい。

「ひ、尋。もう帰ろう?用は済んだでしょ?」

「あ、うん。でもまだ……」

「良いから!」

まだ何かを言いたげな尋に構わず、私は強引に尋を引っ張り公園を出る。

小学生がいる中であんな会話はしたくなんかない。
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