ライトグリーン・スカイ
公園から少し離れた所まで歩くと、尋が腕の解放を求めて来る。

そう言えば掴みっぱなしだったな、と思い腕を解放する。

「どうしちゃったの?もしかしてさっきの小学生?」

尋が突然の私の行動について、聞いて来る。いきなりだったから無理もない。でも、でも…

「うん。恥ずかしくなって…って、どうして反論しなかったの!?」

「え?何が?」

「私を泣かせたってからかわれたんだよ?尋は悔しくない訳!?」

“ああ、そんな事か”と笑う尋。私からすれば笑い事じゃないのにな。

それに尋の所為で泣いた訳では…ないのにな。誤解だよ。

でも尋はそれを言えば“本当の事なんだから仕方ないよ”とか言い出しそう。

だから敢えてそこは言わないでおく事にしよう。そうしよう。
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