ライトグリーン・スカイ
しかし栄兄ちゃんは尋にとっては止(とど)めの一言を言う。

「お前は木葉が好きなんだろ?木葉に一生嫌われたままで良いのか!?」

こうして計画は遂行された、と。全ては仕組まれた事だったのだ。

あの時の栄兄ちゃんの悲しそうな顔も、私に“それ”を告げた事も、

尋が少し震えていたのもみんなみんなお芝居だったって事なの…?

信じられない。まんまとこんなにも騙されてしまうなんて。

「許せない…」

「言うと思ったよ」

「私を騙してそんなに楽しい?涙を返してよ」

沸沸と込み上げる怒り。本当に明日死んじゃうって宣告されている人だっているのに。

「でもさ、そうでもしないと本当の事言わなかっただろ?」

それはそうだけど、やっぱり騙されるのは良い気分じゃない。
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