ライトグリーン・スカイ
なのに一方的に栄兄ちゃんが話を終わらせようとする。

「これで良いじゃねえか。お前もお前も好き同士って事で良いじゃん」

「良くなーい!!」

立ち上がり思わず栄兄ちゃんの頬を叩く。

その音は高らかに何処までも響いていった。それをただ傍観している尋。

怒りの矛先を今度は尋に向ける。元凶はそれを提案した栄兄ちゃん。

一見尋は悪くないように見えるけど、それに乗っかったのだからやっぱり悪い。

「大嫌いなんだから!」

「言うと思ったよ…」

栄兄ちゃんと違い、話を終わらせようとせずに本気で申し訳なさそうにする尋。

そんな反省の色を見せたって、私は許したりなんかはしない。絶対に。

許さない代わりに一言だけ。それは嘘だったと知らされる前に、思った事。

そしてさっきから変な気持ちとして居座っているもの。

「死ななくて良かった」
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