ライトグリーン・スカイ
解放された時、見ていたおじいちゃんがこう一言。

「若いもんは良いのうー……」

まるで羨ましそうに、頬を赤く染めて。……何が良いの?

そのまま去って行ってしまった。ああ、何だか恥ずかしい。

「尋は恥ずかしくないの!?」

「別にどうも?」

尋は何処か抜けているような気がしてならない。何、この非常識ぶり。

「ところで木葉。木葉は京都に一緒に行こうって言ってくれたよね?」

話題を急に変えられた事に不満を持ちつつも、私は“言ったけど?”と答える。

何か悪巧みをしていそうな微笑みを見せる尋。何を考えているの?今度は騙されないよ?

そうして用心深く話を聞く。
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