ライトグリーン・スカイ
今此処で“嫌だ”と言えばこのまま何処かに消えてしまいそう。

彼の大好きなこの葉っぱに包まれて、遠く遠く。

私は此処で1つ気になった事があり、尋にたずねる。

「私を騙していた時、私が突き放していたらどうしてたの?」

「本当に死ぬつもりだったのかも、しれないな…」

やっぱり尋はバカだった。何処までも果てしなく。こんな人と結婚するのは正直怖い。

でもそれが放っておけない。何だか変わっていて、不思議な人。

何故か私がいなくちゃ駄目なんだって思う。消えて欲しくなんかない。

「騙した事は一生許さないし、まだ大嫌い。でも貴方が好き」

「………それって、矛盾しているよね?」

「そうかもね。でも悪くないかなって思うから」

もうこう答えるしか私にはなかった。尋は大喜びしている。

“この葉っぱ達が応援していてくれた”と。

やっと分かった。尋は此処で言いたかったのは、この桜の葉っぱが……
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