ライトグリーン・スカイ
「わたし、こんなのいやだー」

何処かで拾って来た葉っぱを、プレゼントにしてしまうなんて。

素直に喜ぶ事は出来ない。それでも尋はニコニコ笑って。

「ただのはっぱじゃないんだよ?それはねー…」

「もうききあきちゃった。さくらのはっぱでしょ?」

尋は桜が大好き。花よりも、散った後に生える葉っぱの方を好んでいる。

「それもあるけどね、それだけじゃないよ」

「じゃあ、なにがあるの?」

「それはね…」

「えー、ほんとに?うそだー」

その時1番派手な花火が上がった気がした。

それから数ヶ月くらい後、尋一家は伯父さんの仕事の都合で海外に引越して行った。
< 2 / 201 >

この作品をシェア

pagetop