ライトグリーン・スカイ
「いえいえ、気にしないで」

さっきは“遅いよ”と文句を言っていたのにな…

「そう…じゃあ僕達はこれで。これから交番に行かないと」

いつの間にか2人の中で“交番へ行く”と言う選択肢を見つけていたようで、

何故だか少しつまらない気持ちになった。まだ気付かないでいたら良かったのに。

「交番?」

「携帯無くしたんだよ。家にも無くてな…」

まだ“変”発言を引きずっているのか、栄兄ちゃんは少しぶっきらぼうだ。

「だったらあたしも。帰ろうと思っていたし、この町の交番前も通るので」

有無を言わさず、凛ちゃんは帽子とバッグを持って来る為に部屋へ戻る。

私もそれについて行った。

「もう帰ろうと思っていたのは本当。この後用事もあるんだ」

私が不審がっているように見えたのだろう。凛ちゃんはそう言った。
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