ライトグリーン・スカイ
冗談じゃない。思い出作りには賛同出来る。

でも尋とはしたくはない。

嫌いな人間と嫌々楽しく過ごすくらいなら、補習授業に出る方がマシだと思う。

「ご飯出来たよー…あら、おかえりなさい」

下からお母さんの声。同時にお兄ちゃんが帰って来たらしい。

お父さんは残業だから、まだ帰っては来ない。他に帰って来る人と言えばお兄ちゃんしかいない。

メールの返事は後からでも出来るか。携帯をベッドに置いたまま、ご飯を食べる為に下へと降りた。

「いただきます」

3つ分のそれが部屋に響けば、次の瞬間にはご飯を口に含んでいた。

今日のご飯はカレーとポテトサラダ。今の時期に、辛い物は丁度良い。

「お兄ちゃん、旅行どうだった?」

そう聞くと次々と土産話をし始めた。

夜景が凄かった、とかご飯が美味しかったとか。絶えずに。
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