ライトグリーン・スカイ
でも満足したとは言え、これが私のお土産だとは限らない。

そっと封を元に戻しておいた。その時、お母さんが起きて来た。

「あ、おはよう」

「おはよう。昨日は疲れていたみたいね。何の反応もなくてビックリだったわ」

“ごめんね”と小さく謝ると、私はテーブルの袋の事を聞いた。

「ああ、あれは想太から木葉へのお土産。昨日寝てしまってたから…」

やっぱり私の物だった。喜ぶべきなのか、ショックを受けるべきなのか複雑な気持ちだ。

「そう…お兄ちゃんに起きたらお礼しないとね」

お母さんの前で嫌そうな表情はしたくなかったから、嬉しさを全面に出しながら。

お母さん自身、まだ私が開封していないと思っているから。

「お母さんは何貰ったの?」

「小さな金の亀のお守り」

そう嬉しそうに笑った。亀は長寿の象徴だから、ね。
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