ライトグリーン・スカイ
「そうだ木葉。どうだ良かっただろう?」

朝食も済んで、一息ついた頃にお兄ちゃんが思い出したかのように言う。

最初は何の事かが全く分からなく、首を傾げたまま。

「貰わなかったのか?」

その一言で、すぐに何かが分かった。お土産だ。

「キーホルダー、あれは何なの?」

キーホルダーに関してだけ、不満をぶつけてみた。

するとお兄ちゃんは“厄除け”だと言う。他にもっと良い厄除けはなかったのだろうか?

捨てる訳にも行かず何処かに付けろと言われたけれど、正直何処に付ければ良いかが分からない。

携帯のストラップとして?バッグのアクセントとして?

最終選択として“放置する”と言うのも手。でも、お兄ちゃんがそれを許すとは思えなかった。

「恥ずかしいなら、鍵にでも付けたら?あまり見られないし」

ナイスアイディア、お母さん。
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