ライトグリーン・スカイ
駐車場は若干混んでいた。大きな水族館な上に、今は夏休み。

親子連れやら友達同士、中には恋人同士の人達で賑わっているのだろう。

「ん……?着いたの……?」

寝ぼけ眼で尋が言う。前では栄兄ちゃんが大きな伸びをしていた。

「さあ行こう!」

車から降り、他の誰よりも元気いっぱいな凛ちゃんが仕切る。

5人分の入場料を支払い、中に入ればそこはもう別世界。

さっきまで気になっていた人の多さもあまり気にならず、

僅かな黒と光るような青い空間が延々と。

目の前の水槽では魚が気持ち良さそうに泳ぎ、それを見ている人は携帯片手に必死な様子。

“あ、こっち向いたー”と言う喜ぶ声や、“もう少しだったのに…”と残念がる声。

見る事よりも撮影に熱心になっている気がする。

私も思わず撮りそうだ。
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