ライトグリーン・スカイ
凛ちゃん宅に着く頃にはもう夜も更けていた。

「じゃあ、まったねー!」

疲れの色を全く見せない凛ちゃんは、思いっきり手を振る。

正直まだ別れたくない気持ちで沢山。凛ちゃんがいたから嫌な空気は流れずにいたのに。

再び車は動き出し、私はずっと凛ちゃんの家を見つめ続ける。

見えなくなったらそのまま前を向いてみる。

真ん中はただ凛ちゃんがいなくなっただけで、丸々空席に。

私と尋の距離は今も変わらず離れていた。

暗くてよく分からなかったけど、微かに寝息が聞こえる。

また寝てしまっているのだろう。それにしても、よく寝る奴だなあ…

尋が何時起きるか分からず、私は眠れなかった。

暗がりでも、尋や栄兄ちゃん達に寝顔は見られたくはないから。

だから私はずっと眠気と格闘していた。
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