ライトグリーン・スカイ
「…おい」

誰かが突然声をかけて来る。その低音な声は少し不機嫌そうにも感じる。

「起きろ!着いたぞ」

さっきよりも大きな声。視界がはっきりとして来る。

目の前にはお兄ちゃんが。ビックリした…何だか顔が近い。あれ?此処は何処?

「本当、よく寝る奴だな」

それは尋でしょ?そう思って尋の方を見る。だけど尋はいない。

どういう事?

「此処は俺達の家だ。あいつらはもう帰った」

どうやら私は何時の間にか眠ってしまっていたらしい。

急に思考が停止する。寝顔を見られてしまった危機を感じた。

「安心しろ」

何を?

「誰もお前の寝顔にはときめかない」

そんな漫画みたいな事なんてない。

だから当たり前と分かっているけど、言われると腹が立つのは何故だろう?
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