ライトグリーン・スカイ
「俺にそんな事言うな。お前だって俺の立場になったら、素直になれる自信はあるか?」

多分ない。素直にならなきゃ、と思えば思う程素直になれない。

「…ごめん」

「謝られてもなぁ…」

それから暫しの沈黙。蝉の鳴く声と、近くで遊ぶ子の声をBGMに。

「栄兄ちゃんは、凛ちゃんを友達として好きなんだよね?
それで忘れられない人がいる、と」

耐えられなくなって、思わず口にした言葉がこれ。

驚いたのもほんの一瞬で、栄兄ちゃんは何も言わずに首を縦に振った。

「だったらそう言えば?凛ちゃんなら大丈夫だよ。
女として好きになってもらう特訓をするし、
忘れられない人を忘れさせようとするから。多分」

“要は傷付く事はないって事”と付け加えて答える。
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