ライトグリーン・スカイ
「不都合を感じるけど…そんなものか?」

「そういう物だよ?」

私自身告白をされた事も、した事もない。だから気休めにもならない。

それでも悩みが解決すれば良い。

栄兄ちゃんは照れ臭そうに“ありがとう”と小声で言う。

言われた私も何だか照れ臭くなってしまうのは、何故?

「そういえば栄兄ちゃんの忘れられない人って、どんな人なの?」

相談を受けたお礼と言う訳じゃないけれど、これくらいのわがままは聞いて欲しい。

すると栄兄ちゃんは再び黙り込んでしまった。

心なしか、表情に陰を落としているように見えた。

辛い思い出だったかな…?

「ごめん…無理して言わなくても良いよ?」

悪い事を、触れられたくない事を聞いてしまった罪悪感から、すぐに謝る事は出来た。
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