ライトグリーン・スカイ
それの繰り返し。長く感じた殴り合いは、

「喧嘩はやめなさい!フトシ、弱いものいじめしちゃ駄目でしょ?」

フトシというこのガキ大将の姉貴らしい人物によって幕を閉じた。

「おぼえてろよ」

強引に腕を引っ張られながら、悔しそうに言ってその場から消えた。

フトシがいなくなったからか子分と思われる奴らもいなくなった。

「…ばかか?おまえ」

「ばかじゃないもん」

心配をするんじゃなく、真っ先に出た言葉がこれ。

仰向けに大の字に倒れているそいつ。俺も一緒になって倒れた。

「えい?」

不思議そうな声色。どんな表情をして言っているのか、それまでは分からない。

「おまえはつよいんだから、どうどうとしろよな」

そう言ったら“そんな事出来ない”と、ほぼ即答だった。
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